ル・コルビュジエの最後の住まい ナンジェセール・エ・コリ通りのアパートメント「第8話」

フランスを代表する建築家ル・コルビュジエ(Le Corbusier)が妻のイヴォンヌとともに、1934年から1965年にかけてに住んでいたパリ郊外にあるアパートメント「ナンジェセール・エ・コリ通りのアパートメント」についての第8話目です。

前回の第7話までブログ記事で、2010年1月に私が訪れた時に撮影した写真で、各部屋を巡ってきました。これらの記事を書いているうちに、興味がわいたのが、コルビュジエ夫妻が実際にどのようにこの部屋を使っていたかということ。

ブログ記事の中でいくつかインスタグラムやピンタレストで見つけた当時の写真を引用してきましたが、第8回では、そのまとめをしていきたいと思います。

当時のアトリエのイメージ

まずは、第1話のブログ記事で巡った「アトリエ」から。

現状のアトリエ

この住戸の中でメインの部屋でパブリックな用途にもなりえる空間のため、記録も多く残されています。
まずはカラー写真から。書きかけのアート、イーゼルなどかなり雑多な感じだけれど、アトリエとしての雰囲気は、現状の空っぽの状態よりありますね。コルビュジエは建築家だけど、午前中は絵を描いて、彫刻を作り、午後になると建築の設計のため事務所に向かったという逸話が残っています。このアトリエでアート活動にいそしんでいたのです。


アートに、原色の絵具をつかっているので、カラー写真のほうがわかり易いのですが、これ以降はピンタレスト上で見つけたモノクロ写真の引用です。
カラー写真もですが、入って正面のレンガ積みの壁面を背景に撮影しているケースが多いです。


絵だけでなく、彫刻の創作の場でもありました。


背後に彫刻が。


珍しい玄関側の見返しの写真もありました。玄関側の棚は上段までペンキの缶でぎっしりです。


収納のみのイメージも。膨大な資料が。


テーブルの上の様子です。建築のスケッチというより絵画のスケッチですね。


側面の連続窓から導かれた自然光で、絵具の調色を。


撮影のためか、スーツにタイの正装しているイメージも


当時の「アトリエ」のイメージは、以上となります。

次回、第9話は「サロン」「ダイニング」「キッチン」などの、当時の写真をインスタグラムやピンタレストから引用してみたいと思います。