アニエス・トゥルブレ(アニエス・ベー)初監督作「わたしの名前は…」(2013)を観て

UPLINK(アップリンク)が、無料配信しているデザイナーのアニエス・ベーが、アニエス・トゥルブレという本名で初監督した「わたしの名前は…」を観ました。

UPLINK(アップリンク)は、渋谷、吉祥寺、京都に現在3館の映画館があります(京都は知らなかったです)。吉祥寺のアップリンクには、年に2,3回ほど映画を見に行くラインナップが素晴らしい大好きな映画館です。コロナウィルス禍の状況ですが、また映画館に映画を観に行きたい、ホントに!!

2013年のフランス映画。原題は「Je m’appelle Hmmm…」
配信先は、こちらへ。2020年5月17日まで無料配信です。
公式ホームページは、こちらのリンク先に。


映画の内容(ネタばれしない限りで)ですが、家族(父母・子供3人)とトラック運転手の2つの軸から始まります。
主人公のひとりは、家族側の12歳のフランス少女。彼女は、父親から性的虐待を受けている。
もうひとりの主人公のトラック運転手は、何かを抱えていて独りきりのスコットランド人の中年男性。
ある日、学校の自然教室で海へ行き、家族とは離れることができた彼女。海辺の陽光に散歩をするトラック運転手。偶然停まっていたトラックに乗り込み、トラック運転手と共に逃避行に出ることになる。フランス語と英語、言葉が通じない2人は、次第に心を通わせていくが、というのが、予告と宣伝までの内容。

10年以上前に新聞で読んだとある事件の記事をきっかけに、アニエス・べー自身が脚本を書いたというロードムービー。


好きなシーンとして、海辺からトラックが動き出して、海辺から都市へとシーンが変わっていくときに、道路の映像が続きます。そのときに砂浜から、砂とアスファルトが混じっている道路、アスファルトだけの道路へ移行。とくに砂とアスファルトが混じっている道路は、なにか境界(ボーダー)が溶けていく感じ。また砂浜は、彼女がひさびさに自由になっていく象徴のように。

少しネタバレですが、このブログ記事でもそうですが、あえて名前を名乗らずというのは、うまいですね。
誘拐ものとしてのサスペンスもあり、宙吊り状態の感情が、映画の最後までの推進力を持続させるので、フランス映画ですが、最後まで飽きずに一気観することができました。


あと、なんてといっても12歳の少女を演じたLou-Lelia Demerliac(ルー=レリア・デュメールリアック)さんです。子供として、大人としての演技。嫉妬の視線は良かった。他の出演作を検索してみたけど、残念ながらこの作品のみの出演のようです(間違っていたら、ごめんなさい)。


こんなに映画を観ていない日々はないのですが、こんな機会でもないと観ない映画を観ることができてよかったです。いつか映画を映画館で。

そして、UPLINK(アップリンク)では、劇場だけでなく配給を行っているので、劇場公開が延期になっている新作映画の配信を行っています。映画好きとしてのドネーションという意味でも、新作映画を配信で観たいと思います!!