ル・コルビュジエの最後の住まい ナンジェセール・エ・コリ通りのアパートメント「第3話」

フランスを代表する建築家ル・コルビュジエ(Le Corbusier)が妻のイヴォンヌとともに、1934年から1965年にかけてに住んでいたパリ郊外にあるアパートメント「ナンジェセール・エ・コリ通りのアパートメント」についての第3話目です。

第3話は「キッチン」です。(ちなみに第2話は玄関、サロン、ダイニングでした)
もう1度、トレースしたプランから。

前回見たダイニングから、キッチンは切り離され、いわゆるクローズドキッチンです。
アトリエのバックヤードに使用人室があることから、家事は使用人が行い、自炊はしていなかったのかもしれませんね。

通路左側がダイニング。正面の扉の奥は、共用廊下。右側がキッチン。

部屋内側に面するキッチンですが、大きい窓のおかげで圧迫感を抑えられています。

明るい窓面正面のシンクは2層式
シンク右側にコンロがあった模様
メンテナンス性の良いステンレス天板。通路側からの受け取りを考慮し、オープンに
吊り戸棚は、両側に扉を設け、通路側からも使えるように
シンクの背面キッチン部分は、タイルで覆われたカウンターと壁面。上部は吊り戸棚

キッチンの背面には、バルコニーに面したもうひとつのスペースがありますが、用途は不明です。もしかして冷蔵庫的な何か…

背面キッチンの裏側は、下側を引き出しに。可能な限りスペースを有効活用
外壁側は、バルコニーと屋根傾斜に合わせたガラスブロック
バルコニーに出るとパリ郊外の景色が。ベンチもついています

キッチンの写真を見ているうちに、1点気づいたことがありました。
次回は、その気づきについて。第4話に続く。