ロード オブ ザ ストーン(石をめぐる小噺)第1回

リフォームの案件で、大理石や花崗岩を扱うことが多くなっています。そのため公共施設、百貨店やショップなどに足を運んでも石の仕上げには、自然と目を向けることが多くなりました。

雑誌や本などでも、石が取り扱われていると気になってしまい、今月号の「コンフォルト168号」が”石と金属”という特集ということで、思わず手にとり購入してしまいました。

雑誌 コンフォルト 168号 「石と金属」

その中でも、グエナエル・ニコラさんのCURIOSITYがデザインしたシンガポールのモンクレールの石の使い方に目が奪われてしまいました。

CURIOSITYのWEBサイト内に、モンクレール マリーナベイ シンガポール店のイメージが掲載されているリンクを貼ります。

http://curiosity.jp/works/interior/moncler-marina-bay-singapore.html

シンガポールの複合ショップ内の3層吹き抜けに、モンクレールの代名詞のダウンジャケットをブラックの大理石「ネロ・マルキーナ」で表現しています。「ネロ・マルキーナ」はスペイン原産の黒地に、白いラインと白い斑点がはいる大理石です。しっかりとした黒い地に、白い模様というモノクロの大理石は少なく、シックな印象を帯びた大理石です。

大理石 ネロマルキーナ

石の仕上げは一般的には平らにすることが多いのですが、ダウンジャケットの羽毛の膨らみを石に丸みをつけ表現しています。大理石の高級感とブランドを代表する商品イメージを、シンプルかつ大胆なコンセプチュアルなデザインとして昇華させているのは、流石です。